
をとこもすなる日記というものを、をむなもしてみむとて、するなり。
其年の十二月の二十日余一日の日の戌のときに、門出す。
その由、いさゝかにものに書きつく。
をとこもすなるにきというものを、をむなもしてみむとて、するなり。
そのとしの しはすの はつかあまり ひとひのひの いぬののときに、かどです。
そのよし、いさゝかにものにかきつく。
参考文献:岩波文庫版「土左日記」
配信日:2007年05月03日
春は、曙。やうやう白くなりゆく、山際すこし明かりて、紫立ちたる雲の細くたなびきたる。
夏は、夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛び違ひたる。
また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くも、をかし。雨など降るも、をかし。
秋は、夕暮れ。夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、烏の、寝所へ行くとて、三つ四つ二つなど、飛び急ぐさへ、あはれなり。
まいて、雁などの連ねたるが、いと小さく見(み)ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はた、言ふべきにあらず。
冬は、早朝。雪の降りたるは、言うべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでも、いと寒さに、火など急ぎおこして、炭持て渡るも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、炭櫃・火桶の火も白き灰がちになりて、わろし。
参考文献:角川文庫版「枕草子」
配信日:2007年05月10日
いづれの御時にか、女御・更衣あまた侍ひ給ひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めき給ふ、ありけり。
いづれのおほんときにか、にょうご・かういあまたさぶらひたまひけるなかに、いとやむごとなききはにはあらぬが、すぐれてときめきたまふ、ありけり。
参考文献:角川文庫版「源氏物語」
配信日:2007年05月17日
さて、この内供は、鼻の長かりける、五、六寸ばかりなりければ、
おとがひよりも下がりてなむ見えける。
色は赤く紫色にして、大柑子の皮のやうにして、つぶだちてぞふくれたりける。それがいみじくかゆかりけること限りなし。
参考文献:角川文庫版「今昔物語集」
配信日:2007年05月24日
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
おごれる者久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
猛き人もついひには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。
参考文献:角川文庫版「平家物語」
配信日:2007年05月31日
制作協力者プロフィール
白浜 敏恵(しらはま としえ)
1970年 北海道札幌市出身。
九州芸術工科大学卒。電機メーカー、ソフト制作会社、ITベンチャー、翻訳会社などのサラリーマン経験を経て現在フリー。「いいことばかりじゃないのがいい」がモットーの楽天的ライター。文句は批判ではなくツッコミでする。
趣味はブラジル(音楽、カルチャー、サッカーなど)、ポルトガル語も少々。地図が読める女。家族は夫、一女一男。
ナレーター紹介
ナレーター
深森 らえる
東京大学文学部出身、「虹色の声を持つ才媛声優」。
幼女から少年少女、老女や人間外までもの芸暦があり聖女も悪女もギャグもシリアスもこなす広い役幅を持つ。
また演じるだけでなく、パーソナリティーでのトーク活動や、ポエトリーリーディングライブなどで独特の世界観を表現。役者としてだけではなく、彼女自身の個性へのファンも多い。
普段は『ふんわりぽんわり』を合言葉に生活しているとの事。
アニメ:「チャーリーとこぐまのミモ」(チャーリー役)
洋画:「若草物語」(ベス)等、その他多数出演。